COMMENTS
きもちわるくて、かわいくて、誠実で、狂ってる。
映画の寝息が聴こえる。
曽我部恵一
ミュージシャン (サニーデイ・サービス)
川原さんは女の子なんだと思う。
見ていてどこか気恥ずかしくなって。
途中からの混沌?混乱?それも魅力的で。
とても切なくなったのは画質のせいだけじゃないはずで。
こんな映画がつくれる川原さんは女の子なんだと思う。
今泉力哉
映画監督(『パンとバスと2度目のハツコイ』)
イライラする。観ている間、ずっとこの夫婦、
そして妹にイライラする。このイライラはなんだ?
そうだ、これが僕らの日常だからだと気がつく。
どうにもならない夫婦。どうにもならない日常。
どうにもならないコミニュケーション。
どうにもならないことを知るために
この映画を観て欲しい。
坂牧良太
映画監督(『ひかりをあててしぼる』)
記憶のような画質とアフレコの相性が作品に生身の再現性を与えていました。
今この瞬間に再生されている時間に声が吹き込まれているようなライブ感といえばいいのか。
また、深夜2時から始まる設定とも相俟ってか、夜明けへと送り出されるような時間の深さに浸る感覚がありました。
同時に、画面の向こうの登場人物に接続するような息苦しさも漂い始める中で、最後にのぞみがカメラに語りかける場面でライトが切り替わり影が出来上がった瞬間、この世界が別の次元でふっと目を覚ますような感覚が僕の中に生まれました。
とにもかくにも、僕は凛に魅了されっぱなしでした。赤のアクセントも効いていたし。
助演女優で言えば、今回見た全作品の中で一番魅力的でした。
また、グラデーションを生むだけでなく、時には別の視点を引き出す音楽の効果も素晴らしかったです。
小原治
ポレポレ東中野スタッフ*PFF2015審査評より
ひとりでいる時の孤独も辛いけど、ふたりでいるのに分かり合えない夜のお布団の中の背中合わせの方が、
心臓をもがれそうなくらい痛い時がある。
堂々巡りな日々の暗く俯いた視界にデジタルハリネズミがとても似合っていて、一緒に辛くなるからもうあんまり観たくないけど、どうかこの登場人物たちがどこかで
幸せに生きていてくれたらって、
ときどき思い出しては、ちょっと泣いたりしてます。
後藤ユウミ
俳優(『恋の渦』『勝手にふるえてろ』『素敵なダイナマイトスキャンダル』)
こころは密室。
あるはずもない鍵を探しに出掛ける紛れもない冒険映画でした。
金田康平
歌手(THEラブ人間)
『寝てるときだけ、あいしてる。』を最初に観たのが2014年のyoutubeウェブドラマ配信時。
そして次に観たのが2015年のポレポレ坐での上映。
2回観たけど、同じ映画を観たとは思えなかった。
多分、多分だけど、
あの3人は『寝てるときだけ、あいしてる。』の中であのまま生き続けてるんだ。
2015年以来、2年半振りに出逢うあの3人は映画の中でどんなこと言ってるだろうな。
早くまた逢いたい。
頃安祐良
映画監督(『ファーストアルバム』『あの娘、早くババアになればいいのに』)
この映画を観たのはずいぶん前で、そのときのことをちょっと思い出しますね…
あ、この映画は画面がいい感じにざらざらしてて、だから自分の記憶みたいに思い出します、なんか…
たこ焼きダンスを踊ってくれたのぞみちゃんとか
雨の公園で踊ってくれた凛ちゃんとかを
触覚的にねちゃねちゃと、雨の匂いも一緒に思い出します。
自分が朝夫さんだったような気分で。ふしぎ。
西山真来
女優(『へばの』『乃梨子の場合』『夏の娘たち ひめごと』)
見ちゃったことを内緒にしておきたい。
どこかから、自分がこっそり、のぞいているような感覚。
心と身体か、誰かと自分か、演技かリアルか、境界線がわからなくなりそうな、
泣きたくなるようなドキドキ感。
私はこっそり見ていたい。リアルな自分で見たいから。
だから見たことを内緒にしておきたい。
くちばしさくぞう
イラスト作家
「寝てるときだけ、あいしてる。」だなんて、
オシャレなタイトルだと思っていたのですが、観終わってみると悲しい。
映画館の暗闇で、3人の孤独を受け止めてみたい。
そして、文字の演出が丁寧な映画でした。
そうそう。人もネコも靴も文字もスクリーン共同体なのだから、
平等に可愛がってあげないとね。
大九明子
映画監督(『勝手にふるえてろ』)
人間って、ある特定の人にしか見せない「キモさ」を持ってると思う。
そうそう簡単に他人には見せられないキモい表情や動き、聞かせられないキモい声遣い。
それらがデジタルハリネズミで撮影されているから余計に、
なんだか、見ちゃいけない世界をコッソリと覗き見ちゃってる感覚に陥る。
それがメチャクチャ面白い。
ちなみに僕も川原監督に影響されて、自作の映画でデジタルハリネズミを少し使ったけど、
全然面白くキモく撮れませんでした。
そもそもデジタルハリネズミでワザワザ全編撮られた長編映画なんて、
たぶん世界に他に無いんだろうから、みんなぜひ観て。
大畑創
映画監督(『へんげ』)
見ていた夢をもう一度見たくて目を瞑るときはないだろうか。
僕はいい年して、いまだにある。
この作品は連続ドラマの様相であるが、まさしく、各回が夢の続きを見ている気分で、
ぎゅっと画面が黒く縮まるとき、まさしく映画自体が目を瞑っている。
見たくて見た夢の続きが思いがけない展開を迎えるような。そんなところも含め、
川原監督の白昼夢。
ハセガワアユム
MU主宰、劇作家、演出家、ナレーター
終始ムカつく映画。
でも後からあいつがぶっ壊してくれる、最高の映画。
この話をデジタルハリネズミで切り取った川原監督のアイディアは本当に素晴らしい。
川原監督はとても優しいんだと思う。
もしこれを、鮮明な映像や音で見たらムカつきすぎて吐いてしまいそうだから。
それくらい、マイルドな可愛らしい見た目に反した、
強烈なラブストーリーだ。
亀山睦実
映像ディレクター(舞台『十二大戦』、映画『ゆきおんなの夏』)
距離感の少しおかしな少しめんどくさそうなひとたちが、
少しおかしくてかなりめんどくさいままきちんと肯定されあまつさえ愛おしく見えてくる。
川原監督の人間を見る優しさが四角い映像から溢れ出てくる2時間でした。
深田晃司
映画監督(『海を駆ける』『淵に立つ』)
映画に高価な機材も小賢しい技術もいらない! 映画なんて男と女と1個のカメラがあれば出来るんだよ! 「そんな映画に何があるんだ」って?それは純度100%「愛」だ!
「寝てるときだけ、あいしてる。」はまさにその理想形!
この映画を観ている間、君は登場人物と共にシンクロ率100%で心を分かち合い、そして、映画館を出る頃、その記憶は良き思い出となって、君の心に永久に残り続けるだろう。
嘘だと思うなら映画館に観に来い!これが本当の映像体験だ!
加藤行宏
映画監督(「アイドル・イズ・デッド」シリーズ)
観ているとき、自分の鏡をみているようで、苦しくて、足元がグラグラになって、
だけどさいごは見終わるのがさみしくて、
見終わったあと何度も見返しました。
このコメントを締めくくりたいけれど、いい言葉が浮かびません。
きっとまた見返すと思います。
道草晴子
漫画家(『みちくさ日記』『下北日記』)
誰も知らない「夫婦の密な時間」は色っぽく、残酷で、まるで寓話みたいだと、私も思う。 親密すぎて苦しくなるような3人の生活を、トイカメラで描いていく監督の裁量に、何度も唸らされた。その選択は、飛び道具なんかじゃない。
岨手由貴子
映画監督 (『グッド・ストライプス』)



これまでの特別上映にてお客様コメント
デジタルハリネズミを持っていて、ネットで情報収集している時に「デジタルハリネズミで映画」というのを見つけて映画祭に来ました!
トイカメラということもあり画質などあまり期待していなかったのですが(笑)
すごくきれいでした。
あの荒 れた感じで想像力が豊かになりそうです。
私は高校の放送部でドラマを作ろうと思っているのでとても参考になりました。
(16歳 女性)
狂気的、精神的に壊れていく人が上手く表現されていて好きでした。
(22歳 女性)
内容があまり把握できなかったのですが、
3人の俳優さんの表情や動きがおもしろいと思いました。
(50歳 女性)
大画面でみるとのぞみのつらさも増大しますね。よろこびもしかり (男性)
泣こうとしなくても涙が出てきます。
今の自分に苦しいほどに必要な映画でした。
ありがとうございました。
(女性 27歳)
のぞみと凛ちゃんが頬を引っ張り合うシーン。笑ってしまいました。
外の音も聞こえなるくらい映画の世界にはいりました。
(女性 カメラマン)
三人の関係と感情がいびつだけど、
まっすぐで感情移入できました。
3人の俳優さんもマッチしていて絶妙でした。
(匿名希望)
部屋、公園、8mm(のような質感)とノイズ現代に30年前の自主映画のまん中をいくような不思議な感触でした。俳優さ んたちがよいいみで(面倒くさそう)な人たちだなと伝わってきました。
(33歳 男性)
私事ながら丁度先日「うつ」と診断され休職中です。
序盤のりんの言葉に心えぐられましたが、
最後まで観てよかったと 思いました。
今の自分の心情を代弁してもらっているような
そんな気持ちで、少し楽になりました。
ありがとうございました。
(24歳 男性)
5年前の大阪と現在の東京のシーンが2分割で交互に行き来するシーンが
とても切なく 悲しくなりました。
時間の流れを感じて大好きなシーンです。
(24歳 男性 役者)
のぞみが公園を彷徨うシーン。
カオスな感じで良かったです。
(32歳 女性 アニメーション演出)